■ 第十六回居想会演武会
令和六年八月三日、東京都北区の北トピアにおいて演武会を開催しました。
第十五会居想会演武会より。
#006 居合形・破図味
演武者:山名宗孝
居合道という古武道は、日本人が大切にしてきた様々なものが凝縮しています。
術から道へと向かう中で相手を敬い自己を律するものとして礼の心が生まれ、礼儀作法として体系化しています。
また、スポーツとは違う日本人らしい体の使い方によって、体を制御することを学び、無理なく健康な体を作ります。
しかし残念なことにその素晴らしい世界は一般的なものではありません。当然ながら居想会の門を叩かれる方の多くは未経験者です。
ですが心配はいりません。入会してからは袴の着付け、礼儀作法、刀の扱い方など、居合道を一から居想会で学んでいただきます。
できることから繰り返しやってみる、それを重ねることで成長してゆく、といった無理のない合理的な教え方をしています。
居合道に興味のある方はまず見学をしてみたらいかがでしょうか。
記:代表・関戸光賀
居合道はおよそ400年前、林崎甚助によって創始されたと言われています。
居合道は鞘から刀剣を抜き放つことを主な稽古とした古武道です。一見単調な稽古のようですが、身体全体を使った動きであり技の多様性から奥の深い古武道と言えます。
居合道では、自分のイメージした仮想敵に対して稽古を行いますので、剣道のような打ち合いもなく激しい運動でもありません。そのため自分の体力やペースに合わせて稽古ができますので、居合道は、老若男女問わず学べる武道と言えるでしょう。
居想会は、幕末に途絶えた無外流の居合道、剣術を研究するために創設された古武道の会で、居想無外流として活動しています。
無外流居合道や剣術などの古武道は、江戸時代の先人が残してくれた日本の大切な文化遺産です。
しかし無外流は残念なことに近年に失伝し、正しく継承されてはいません。江戸時代の人がどのような心で技を磨き、己を鍛錬していったのでしょうか。
私たちは古武道としての無外流の居合いや剣術の姿を正しく検証し実践することにより、先人の想いを伝えてゆきたいと願っています。
■ 古くても新鮮な居合
私達が居合いなどの古武道の稽古を通して実感することは、古武道とは新しく新鮮であるということです。
先人の英知は古武道の中にあり、それは私たちが知っているスポーツという概念と異にする世界です。人より強くということではなく、居合いの稽古を通して潜在的に秘めている自分の能力を見いだし高めてゆくことが居想会の居合道の本分です。
■ 尊い時間を過ごす
居合を初めとする古武道の世界に触れようとお考えの方は、居想会では構えて門を叩く必要はありません。
なぜなら学ぶものは古くても、居想会の伝承方法はきわめて合理的で反封建的だからです。
居合の稽古には、現在中学生から70歳代までの方が参加されていますが、健康を目的に続けられる方、居合いを通して日本の文化について学ぼうとする方など、その目的は多様です。
そして、それぞれの目的の中、居合いの稽古の中で会員同士が日々切磋琢磨し、互いを尊重して学び合う日々はとても尊い時間であると思います。
■ 居合いの稽古はどなたでもできます
居合いの稽古では、合理的な身体の使い方を学び、その過程において心身が鍛錬されます。
稽古の目的は、強いか弱いかを競い合うものではありません。身体の大きい人もそうでない人も、男性でも女性でも、また若くても年配の方でも居合いをはじめとする古武道の修養には等しく平等です。
■ 自分と向き合う時間
居合道の稽古では、まず我流を捨てることから始まります。思い込みと頑固さを捨てるのです。
居合いの稽古に必要なのは、体力でも運動神経でもなく、素直に出来ない自分に向き合う姿勢です。不器用でも正しい稽古をしているほうがはるかに古武道の技は上達します。
■ 健康な日常のために
居合いの稽古でまず学ぶことは、軸の立った正しい姿勢です。これだけでも腰への負担の軽減、新陳代謝の活性化、肩こりの解消がされます。
また、居想会では、創立以来バンドエイドのお世話になる程度の擦り傷はあっても、怪我がゼロであることが自慢です。社会人として、また勉学に勤しむ方にとっても刀で手を斬ってしまうなどということは許されない事です。そして居合いなど古武道の稽古でおきやすい手首や肘の故障も正しい指導を実践していれば、かなり軽減されます。
■ 居合いにおける礼のこころ
居合いの稽古では始まりと終わりに刀礼を行います。これは俗世から離れ律調で端正なる世界に身を置くことへの作法です。
居合いは武術的な理論から作られた形において、常に対人を意識し人を制するための術ですが、武道として礼節を重んじれば粗暴な心を排除した美しい所作に行き着きます。それら全てを礼といいます。
他の人のこころを大切に思い、同時に自らのこころと体を鍛えていくことが居合いにおいて大切なことです。
居合いや剣術など古武道の稽古では、習うに従って面白さが増してきます。
せっかく習うのであるならば、長く稽古を続けてゆくことが大切なことです。
私たちはその為に指導者の人間形成と技量向上に努め、古武道を楽しく学んでゆける環境作りを目指しております。
居合の見学
居想会の指導内容、稽古場所の環境、会の雰囲気などを知ってもらう為に、居合稽古の見学ができます。
一般社団法人居想会は、東京を中心に活動しており古武道の稽古では冷暖完備の快適な環境で稽古をしています。
居合の体験
体験稽古では専任の指導員の元、実際に模擬居合刀を持って居合道の稽古していただきます。居想会の古武道に対する高い志とハイレベルな稽古内容を感じてください。
初心者稽古
月に4回以上、初心者の方の居合道講座を設けています。袴の着方、礼法、基本の動きなど、古武道の初歩を丁寧に指導いたします。
古武道の稽古風景
一般社団法人・居想会の運営
居想会は、営利を目的としない一般社団法人で、生涯学習活動を支援する為の団体です。活動場所は、東京の他、茨城と福井に支部があります。
活動目的は、居合道・剣術の稽古を通して会員のこころと身体の健康を養い、それを通じて日本古来の古武道・古武術の普及に努めることです。
無外流居合・剣術について
無外流については小説「剣客商売」などでご存知の方もいらっしゃるかと思います。当初、剣術だけであった無外流は、自鏡流居合(多賀自鏡軒盛政が祖)より居合いを取り入れたのが、無外流居合の始まりです。
居想会の無外流居合・剣術は、昭和に編纂された無外流居合兵道ではありません。居想会は古武道としての無外流を稽古し、私たち日本人が忘れかけようとしていた古の先人の教えを大切にして、日々稽古に励んでおります。
シニア部・竜虎会
竜虎会は、60歳以上の居想会会員で構成されたシニアの会です。 チャンバラ世代のオトーさんたちが、ちゃんとしたチャンバラを習う。居合を通じて童心を感じる人たちの会です。気概は若者達を凌駕しています。団塊の世代恐るべし。
居合の活動
居想会の大きな行事は年に4回あります。
年の初めの新春稽古会では、1年の精進を誓い皆で一緒に剣を振ります。
6月に行われる演武会は、それに向けての稽古によって技に磨きをかける良い機会となっています。
10月に行われる合宿は仲間同士一緒の釜の飯を食うことで、互いの絆を深め、稽古へのモチベーションを高めます。
12月の忘年会は親睦を目的としたもので、会員同士の新たな一面を知る行事として毎年人気の懇親会となっています。
居想会の大きな行事は年に4回あります。
年の初めの新春稽古会では、1年の精進を誓い皆で一緒に剣を振ります。
6月に行われる演武会は、それに向けての稽古によって技に磨きをかける良い機会となっています。
10月に行われる合宿は仲間同士一緒の釜の飯を食うことで、互いの絆を深め、稽古へのモチベーションを高めます。
12月の忘年会は親睦を目的としたもので、会員同士の新たな一面を知る行事として毎年人気の懇親会となっています。
居合道と剣術の演武会より
■ 居合・剣術の演武会
居想会は、競技を行いません。居合や剣術など古武道の修養は勝ち負けを争うものではないと思うからです。
一年の成果は演武会という形で実感し、自分に足りないところを自覚することで、修養の指針を確認いたします。
また、居合の演武ではこころのあり方や品位などが表れてきますので、居合の形そのものの出来不出来だけではなく、形と形の間や所作にも気を配ることが大切です。
■ 古武道の合宿
居想会では年に一度、秋に合宿を行っています。合宿では集中的に稽古が出来き、居合だけではなく体の使い方などを学ぶことができます。
また、なによりも大切なことは「同じ釜の飯を食う」ということで、仲間やはライバルもできて日々の居合や剣術の稽古に張りができることでしょうか。
居合は自分と向き合う稽古ですが、仲間が多くいることは大事なことだと思います。
■ 居合・古武道の講習会
居合の講習会では稽古の時間を長く使えますので、一段と深い稽古を進めることができます。級・傅位別に分かれて居合を行うことで、そのレベルに合った指導を受けることができます。
また居合の稽古以外にも体軸の意識、相手の中心を取る、剣体の一致といった普段の稽古では自覚することの難しい事柄を体術によって実践いたします。
柔らかい体の使い方や、力に頼らない居合を行う居想会では、ご年配の方や女性でも親しみやすい古武道の稽古が行えます。
「月刊秘伝」より現代に蘇る、極められし技『古流の剣術』として 居想無外流のDVDが発売されました。