宗家演武 第十回居想会演武会より 平成28年5月21日

今年の演武会は居想会の創立10周年と共に祝う催しとなりました。
忙しい現代人にとって稽古の時間を作ることは大変なことだと思います。しかしこの日のため一人ひとりが大切な時間をやりくりして、稽古を積み重ねてきました。
古武術は、慣れ親しんだスポーツ的な動きと違うところが多くあります。したがって当然と思っていた自分の動きを否定し、今までにないものを受け入れなけれ ばなりません。回らない縦の動きという一見理解しがたいことや、緩んで前に進むことなど最初のうちは戸惑いを覚えるでしょう。でも一番難しいのは力を抜く ことのようです。こうしたことを難しいと考えると稽古は苦行なってしまいますので、出来ない自分に嘆くのをやめ新鮮な自分を発見することに喜びを見いだし ていけるようになれば稽古は楽しくなります。
稽古を重ねていくと出来ないと思い込んでいたことが、ある日小さなきっかけで扉が開き次の世界が見えてくる。そしてそこに留まることなく小さな発見を積み 重ねていく日々こそ無外流開祖の辻月丹のいう「更に参ぜよ三十年」だと思います。肩の力を抜いて尊い時間を楽しみましょう。


居想無外流宗家 関戸光賀