気剣体一致の妙

居想無外流剣術:小太刀その一

姫路での無外流継承者は高橋赳太郎先生で、無外流高橋派とも呼ばれています。一説に無外流第十代宗家とされていますが、彼の関係する当時の文献には宗家とする文字はどこにもみあたりません。おそらく高橋赳太郎自身に宗家という自覚もなくそれゆえ口にも文献にも出さなかったのでしょう。彼が無外流第十代宗家となったのは彼の死後、第十一代宗家を自称した中川士龍先生で、創始した「無外流居合兵道」の格付けが必要だったのでしょう。

いきなり脱線してしまいましたが、この高橋赳太郎先生が、明治40年頃東京での警視庁時代に小太刀の形を元に十手の形を作りました。警視庁の資料では「高橋先生は十手使用形なるものを工夫し之を警察部に献策せられたり。時の警察部は此の十手使用形に加ふるに柔術捕手形と暴動不審者連行心得とを以て武術心得となし高橋先生を始め時の柔術師範をして此れが講習をなさしめた」とあります。
この資料には動きの詳細が記されておりますので、元となった小太刀の形の概要が分かります。
小太刀で大切なことは太刀においても同じですが、より明確な動きが要求されますので大変よい古武道の稽古となります。

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