気剣体一致の妙

無外流真伝剣法訣:剣法十訣

居想会は江戸時代末に途絶えてしまった無外流を研究し、その形を再現しようと居合以外にも剣術の古武道稽古も力を入れています。
流祖辻月丹の記した「無外流真伝剣法訣」は、全文が漢文で剣法の形を記した十訣の解説も禅語によって抽象的な表現のみにとどめられ、形そのものの動きについては語られていません。
他の流派の伝書には形を詳しく述べたり、図によって詳細を語られている中でこうした伝書は稀です。思うに流祖は時代によって、または人によって形が変わることを予期していたのではと思います。
そうであるならば、「無外流真伝剣法訣」とは形に秘められた思いを綴った伝書なのでしょう。しかし、口伝として伝わって来たものが途切れた今、もう少しのヒントを我々に残してもとの思いもあります。
今、無外流の編纂の参考となるものは、姫路藩に伝わりおそらくは十本を五本に置き換えた「刃引之形」と、月丹の師であった山口卜真斎が一刀流であったことから、無外流もその影響を大きくうけたものと推測できることから古流一刀流学ぶことですが、それでもおぼろげながらに流祖の思いはは見えてくるものです。
辻月丹が居想会の十訣を浄土からみたらきっと「ずいぶんと儂の残したものと違うな」と言われるでしょう。しかし、「形は違うが目指してゆく道はわるくはない」と言われるような形に昇華してゆきたいと思います。

無外流とは

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