剣術・刃引之形 2010.1.29

刃引之形は無外流の原型を残す貴重な古武道の剣術形である。
姫路藩の高橋家に伝わった無外流の形は十本であったが、幕末竹刀稽古の流行からか五本にへりかろうじて現在に残されている。
派手な動きはないが、一本いっぽんの形には真剣を用いた際の実戦的な動きが凝縮さえていて、紐解くほどに奥深い。

真っ直ぐに打つ事の難しさ
遠間から上段、もしくは八相で真向に斬るためには相手と自分との正中線をぶらすことなく歩みます。このとき切先がふらふらするようではいけません。
また、相手の受ける木刀を打ってはいけません。打つのは常に相手の中心です。

待つ事の難しさ
決まった動きによって形が成立しますが、かといって先走って動いてはいけません。常に打太刀の動きに連動した対応をするのです。先走ればその方向に打太刀に打たれ形は終わってしまいます。

中心をとることの難しさ
剣の世界は、端的に表現すれば中心の取り合いです。中心を外せばそこに隙が生まれ、容易に相手に攻め込まれます。一本目と四本目にみられる受けからの攻防では、中心に向かって剣を立てる事によって相手を制します。ほんの少しズレたり力で制しようとすれば、相手の思う壷です。