居合道・振りかぶり 2010.2.3

振りかぶりは隙の一瞬です。

ですから、どのようにすればその時間が少なくするかを工夫することは居合の稽古において大切なことです。
要点としては、刀の重さを利用する。最短の軌道を描く。そして、腕(特に手首のスナップ)だけを使わず、体全体の動きにするという三点です。これらを常に意識して古武道の稽古を行ってください。

横一文字からの振りかぶりでは、振りかぶりの支点を右拳にするのではなく、刀の重心位置を支点とすれば、刀の重さを感じる事なく振りかぶる事ができます。その際拳を下げすぎるとかえって遠回りとなりますので下げすぎないように気を付けます。
具体的には、横一文字を斬り終わった拳の位置から一拳分ほど拳を下げ、肘と胸を落としてゆき、額のやや上を結ぶ直線上に拳を走らせます。切っ先は正中線より左に出ないように立ててゆきます。この動きと居合の稽古で習っている基本動作の半身の切り替えを同時に行います。

逆袈裟からの振りかぶりでは、手の内を緩め切っ先を重力に任せ落としてゆきます。拳と体の使い方は横一文字と同じです。半身の切り替えが早くできれば、剣先も必要以上に落ちません。

切っ先上がり下がりは結果ですので、大切な要素ではありません。切っ先の位置で形を判定するようなことは、愚かな居合の稽古です。
力に頼らず刀の重さを味方に付け体を合理的に使えば、結果として横一文字は切っ先上がりとなり、逆袈裟は切っ先が下がるだけです。古武道の居合を稽古する上で無駄な動きを徹底して省き、最短の軌道で動くことが大切です。